世界は今、よりクリーンでコスト競争力のある再生可能エネルギーへと大きくシフトしている。再生可能エネルギーの利用は過去最高水準に達している。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の報告によると、再生可能エネルギーによる発電は2015年に152ギガワット増加し、過去最高の8.3%の伸びである。全体の発電能力は過去5年間で約3分の1拡大し、その大半が新たな風力、太陽光発電装置の設置によるものだ。
地球環境戦略研究機関(IGES)の政策顧問キング氏は「アジアの再生可能エネルギーの未来は希望に満ちている。中国とインドをはじめ発展途上国が発電能力拡大を主導している」と述べた。
「21世紀の再生可能エネルギーネットワーク」(REN21)によると、再生可能エネルギーによる正味の発電能力増加は現在、化石燃料すべてを合わせたより多い。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのカステラーノ氏は「アジアにおける再生可能エネルギー投資は発電能力拡大の必要性に後押しされている。アジアが再生可能エネルギーの開発をスタートさせたのは主にこの3年から5年の間だ。いまアジアのほとんどの国で再生可能エネルギー大幅促進の国家計画が立てられている」と述べた。
またデンマークの風力発電機大手、ヴェスタスのアジア太平洋販売部門バイスプレジデントのカルー氏は「再生可能エネルギー技術の進展はアジアの成長の原動力になってきている」と指摘した。
再生可能エネルギーへの投資は世界で急速に拡大しており、再生可能エネルギーの発電能力への純投資額は過去6年間に化石燃料へのそれを上回っている。
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2016.8.3 日本経済新聞掲載