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太陽電池の配線に銅ペースト使う技術の実用化に世界で初めて成功
東北大発VB、太陽電池の配線に銅ペースト

東北大学発ベンチャーのマテリアル・コンセプト(仙台市)は、太陽電池セルの配線に銅ペーストを使う技術の実用化に世界で初めて成功した。銀を使っていた既製品と比べ、発電効率をほぼ同等に保ったまま割安に太陽電池セルを生産できる。2018年度から銅ペーストの量産を始め、台湾や中国、東南アジアなどの太陽電池メーカーに納入する。
 シリコンでできた太陽電池セルの表面には、発電した電気を取り出すための細い配線が描かれている。これまでは銀ペーストが主に使われてきたが、銀より安価な銅を使う技術も世界各国で開発が進められてきた。銅はシリコンと混ざりやすいため、セル表面に塗っても配線がにじんでしまい、うまく描けない問題があった。
 マテリアル・コンセプトは特殊な液体をセル表面に塗り、その上から銅ペーストで配線を描く技術を開発。銅の配線をしっかりとセル表面に沈着させることに成功した。
 通常の銀ペーストを使う配線の場合、太陽光エネルギーからどれだけ電気を取り出せるかを示す変換効率は最新の技術で約20%強。新たに開発した銅ペーストを活用した太陽電池セルでも20%弱の変換効率を実現した。
 マテリアル・コンセプトは16年12月から太陽電池メーカー数社に銅ペーストのサンプル品出荷を始めている。ペーストの材料になる銅粉の価格は銀粉の1割程度という。銀ペーストは太陽電池の材料費の3割を占めているだけに、大幅なコスト削減につながるとみる。
 18年度から台湾のメーカー2社と中国のメーカー1社に納入し、19年度からは韓国、東南アジアのメーカーにも販売していく方針だ。
 銅ペーストの生産設備も増設する。いまは容量2リットルの設備が1台で毎月1.3トンのペーストを生産している。17年度中に15リットル設備を1~2台導入する。量産化のための設備投資費や運転資金として日本政策金融公庫から1億円の融資を受けた。
 銅ペーストを太陽電池セルに活用するマテリアル・コンセプトの技術は、東北大学の小池淳一教授が11年から研究開発に着手したもの。東日本大震災からの復興のため東北から革新を起こそうと13年に会社を設立し、産業革新機構や大和企業投資から出資を受けた。
 太陽電池セルのほか、電子部品の配線にも銅ペーストを応用している。現在の資本金は3億4000万円。売上高は現在数百万円規模で、18年度には1億円以上に増やす目標だ。
 
日本経済新聞掲載 2017年2月7日より 
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